こんにちは、はやっしーです!先日のおすすめ曲はいかがでしたか?まだ見られていない方はこちらからどうぞ!→ビッグバンドの王様、カウントベイシーオーケストラのおすすめ曲を紹介!
というわけで、今回はカウントベイシーオーケストラ(以下ベイシーバンド)のおすすめのアルバムをご紹介したいと思います。ただし、今回はスタジオで録音されたものに絞ってお伝えします。
これは、①ライブで録音されたものにもいい録音が多い、②初心者にとっては比較的音質のよいスタジオ録音の方が馴染みやすいかもしれない
と思うからです。ただしライブ録音にも聴きやすいものは多いので、これに関しては公開次第こちらでもお知らせいたします。
それでは行きましょう!
歴史上、ベイシーバンドは二つに分かれる
①まずはベイシーバンドの歴史を知ろう
ベイシーバンドを知る上で知って欲しい事はいくつかあるのですが、今回はさらっとお話ししておきます。詳しい話はまた別の機会で触れますので、投稿したらお知らせいたします。
まず簡単な歴史をたどりますと
①1935年 ベイシーバンド誕生!
②1950年 ベイシーバンド解散
➂1951年 ベイシーバンド再結成
④1984年 カウントベイシー本人逝去
⑤それ以降 ベイシーバンドの演奏は続く
これが簡単なベイシーバンドの歴史です。ご覧の通り、②と➂で分断しています(赤字にしました)。これは当時の経済状況や流行に対して乗り切れなかったという理由が一番大きいとされています。
そしてベイシーさん本人は➂でもう一度自己ビッグバンドを立ち上げているのですが、こここそが②以前と➂以降のベイシーオーケストラの大きなターニングポイントの一つとなっています。それはアレンジメントの違いです。
②アレンジメントの違いとは
アレンジの話をする前提として、②以前のベイシーバンドを一般的にオールドベイシー、➂以降のベイシーバンドを一般的にニューベイシーと呼ぶのですが、前者では主にヘッドアレンジと呼ばれる、楽譜を使わず、口頭で曲の進行や雰囲気、構成などを指示する方法が取られており、その場でアレンジが決まるという今の時代からすれば斬新な方法が取られていたようです。
それに反して後者では予め正確に決まったアレンジを演奏する方法が主流となり、これがのちにベイシーバンドを大成功させる原因となります。歴史に関しては先述の通り、別の機会を設けて詳しく追っていきますので、お楽しみに!!
おすすめアルバムの紹介
長くなって申し訳ございません。いよいよおすすめアルバムの紹介です!
①April In Paris(1955)
以前紹介した「Dinner With Friends」や「Corner Pocket」が収録されているアルバムで、そのほかにも「April In Paris」というベイシーの定番曲も収録されている、ベイシーバンドの入門としては聴きやすいアルバムです。音質も良いので、是非聴いてみてください!
Amazon→April In Paris、楽天→April In Paris
②The Complete Atomic Basie(1957)
①で触れた「Dinner With Friends」の作編曲であるNeal Hefti(ニールヘフティ)さんが全曲作編曲を行ったアルバムで、ベイシーバンドでもライブで多く取り上げられた「Splanky」、「Li’l Darlin’」や「Whirly Bird」などといった馴染みが深い曲が多く収録されているアルバムです。
個人的なこのアルバムの印象としては、ニールヘフティさんのスッキリとしていて、かつ一寸たりとも無駄のないアレンジが全面的に押し出されているという印象を受けました。またバンドとしてもこの頃は第二黄金期、またはアトミック時代やアトミック期とも呼ばれており、メンバーも相当充実していた時代であり、演奏のレベルとしても相当ハイレベルなものだと個人的には感じました。
またこのアルバムの大きな特徴として、ジャケット写真に原爆のきのこ雲が使われています。

どん!!!!!(ひえええええええ)
…ちょっとふざけました。
皆さんはこれを見てどのような印象を受けましたか?個人的にはこれを使ってええんか?!って感じでした。原爆を二度投下されただけに、日本人だとそうなっちゃいますよね…。
日本人にとっては不謹慎だ!と思うかもしれませんが、アメリカ人にとっては原爆や原子力が当時大きく期待されていたように、このアルバムにもそれだけ期待が込められていたんでしょうねえ…。下にAmazon、楽天、iTunesのURLを貼っておきますね!
Amazon→Complete Atomic Basie、楽天→Complete Atomic Basie、iTunes→The Complete Atomic Basie
➂This Time By Basie(1963)
このアルバムは音楽界のレジェンド、Quincy Jones(クインシージョーンズ)さんが全曲作編曲したアルバムとなっています。ちなみにクインシージョーンズさんはあのマイケルジャクソンさんと一時期共に活動していたという、相当な大物であります!いやあ凄いですねえ…。ベイシーバンドには大物しか居ないじゃないか…。
個人的な印象としては聴きやすい事に変わりはないのですが、先ほどのニールヘフティさんとはまた違った雰囲気を感じます。すっきりとしているのですが、どちらかというと映画音楽のようなアレンジが多く、明るくゴージャスな雰囲気がします!
演奏の方も申し分なく、相変わらずトゥッティでは鳴らすし、リズム隊はグルーヴするしで、聴いてて楽しい気分になれます!
そんなアルバム、是非聴いてみてください!個人的おすすめ曲→This Could Be The Start Of Something Big、Walk,Don’t Run
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④Straight Ahead(1968)
さてこのアルバムを紹介する前に、この頃のベイシーバンドの状況をお話ししておきましょう。
実は先ほどの➂This Time By Basie以降(正確に言うとその前年くらいから)、凋落傾向にありました。具体的には
①メンバーの大量脱退
②ポップス曲のアレンジ乱発による印象の悪化
これらが原因となり、ベイシーバンドは落ちぶれていきます。たしかにアルバムを出せば、お遊びと言われんばかりのポップス曲のアレンジばかりだと悲しいかもしれないですね…。でもこの頃のライブ録音を聴いてもバンドの質は高いので、バンドの質が落ちたというよりは、単純に道を外した感じですね。
さて本編に戻ります。1968年に出されたこのアルバムは、その頃海軍で指揮を執っていたSammy Nestico(サミーネスティコ)さんがベイシーバンドと出会う事により制作されたアルバムです。ここから約20年間にわたってベイシーバンドとサミーネスティコさんは共同でアルバム制作する事となり、ベイシーバンドの歴史としてはターニングポイントとなるアルバムです!
さてアルバムの印象ですが、これまでのベイシーバンドの長所をフル活用した感じとなっており、しつこくなくすっきりとしたアレンジだという印象を受けます。具体的に言うと、これまでのベイシーバンドのアレンジのいいところを活用しながらサミーネスティコさんの味を活かしているという感じです。
また演奏も申し分なくハイクオリティで、さすがベイシーバンドだ!という感じです。
そしてこのアルバムは、学生バンドに入った人は全員聴いてほしいと思います。これには3つの理由があり、
①このアルバムの曲の譜面が全て売られている
②レベルもそこまで高いものではない
➂前述の理由により、学生バンドにも演奏される機会が多く、なじみが深い
以上3つが全員聴いてほしい理由です。僕自身もこれを聴いてベイシーが好きになりました。是非聴いてください!
⑤Prime Time(1977)
このアルバムはベイシーバンドの第三黄金期と言われたころのアルバムで、バンドとしてもライブで円熟な演奏をしていた時期で、個人的にはこの頃のベイシーバンドが一番好きだったりします。勿論このアルバムもSammy Nestico(サミーネスティコ)さんが全編作編曲しています。
このアルバムの最大の特徴として、ベイシーバンドがグラミー賞を受賞したアルバムである事で、ベイシーバンドの歴史の中でも珍しいアルバムとなっています。
この時期のアルバムとしてはBasie Big Band(1975)の方が有名で馴染みがあると思うのですが、それでもお勧めしたい理由としては、
①曲のレベルがそこまで高いわけじゃない
②唯一のFunk曲がある(Bundle ’O Funk)
➂スタジオ録音の中では比較的楽しく聴ける
です。まず①は演奏する人に向けた話で、④のアルバムと同じ理由ではありますが、是非セットリストの参考にして欲しいと思います。次に②に関しては、スウィング(ジャズのスタンダードなリズムパターン)を売りにしていて、そのスウィングに関しては世界一だと言われているベイシーバンドが演奏するファンク調の曲という、世にも珍しい曲が聴ける珍しいアルバムとなっています。
そして➂に関しては比較的初めての人には関係ないと思いますが、僕自身がそうだったので、一度読んでもらえると幸いです。
僕は中学生の時からビッグバンドを演奏し、ベイシーバンドに出会いましたが(詳しい話はこちらから→林 淳滉のプロフィール)、④のStraight Aheadや①のApril In Parisを擦り切れるほど聴いていました。その頃にYouTubeでベイシーバンドのライブ映像を見られることを知り、それに対し大きくのめりこみました。そこで僕はずっとライブ映像を見続けてライブ録音のアルバムばかりを聴き続けたため、スタジオ録音のアルバムを真剣に聴く機会は随分あとになってからでした。これは決して悪いわけではないのですが、個人的に問題だったのはスタジオ録音を楽しく聴けなくなっていた事でした。
これは持論ですが、ライブ録音はその場の雰囲気(歓声やミストーンなど)もそのまま入っているため、その場にいるような臨場感を味わう事が出来ます。それが自分にとってはたまらないものでした。それが好きだった自分にとってスタジオ録音は完璧にコントロールされたもののような気がして、楽しめなくなっていました。
今でこそスタジオ録音の重要性や楽しみ方も分かるようになりましたが、それでもライブ録音の方が楽しく聴けてしまいます。
そんな中でジャンルに富み、録音やバンドそのもののレベルも高いこのアルバムは、いつまでも楽しんで聴けるアルバムだと思い、このアルバムをおすすめしたいです。
そんなアルバムはこちらからどうぞ!
Amazon→Prime Time
⑥Fancy Pants
このように歴史の波にもまれながらも活動を続けてきたベイシーバンドですが、そのリーダーであったカウントベイシー本人も1984年に逝去します。生前最後のアルバムとなったのがこのアルバム、「Fancy Pants」です。このアルバムもSammy Nestico(サミーネスティコ)さんによる全編作編曲のアルバムです。
往年のようにピアノが弾けなくなっているベイシーさん本人の演奏は悲しいと思うものがありますが、それでも張り切って演奏するベイシーバンドにはただただ涙が止まらなくなります。
ここでベイシーバンドが活動を続けたからこそ、今でもベイシーバンドが全世界で活動出来ています。その敬意に感謝してこのアルバムを是非聴いてほしいと思います。
そんなアルバムはこちらからどうぞ!
Amazon→Fancy Pants
最後に
長くなりましたが、いかがだったでしょうか?個人的な意見が多かった上、歴史の話も多くなってしまい、恐らく読みにくくなってしまっていると思います。ですので、どんどんそれは別ページでまとめていきますので、また気軽に覗いてみてください!
ベイシーバンドの歴史もどんどんまとめていくので、今後ともよろしくお願いいたします!